第38回イオン反応研究会

イタリアのローマからProfessor Dr. M. Speranza が学振短期で来日されました。 関西地区では,澤田先生のお世話と飯田・白土両氏の素早い対応をもちまして下記の要領で講演会の機会がもつことができました。


主 催: 日本質量分析学会 イオン反応研究部会
日 時: 平成13年11月14日(水) 13時~16時過ぎ
会 場: 島津製作所関西支社マルチホール
      大阪市北区芝田1-1-4,Phone:(06)6373-6545
      大阪梅田 阪急ターミナルビル14階。JR大阪駅ホーム

Professor. Dr. M Speranza は,イオン化にトリチウムの崩壊を利用する卓抜したアイデアで華々しくデビューされました。これにより当時盛んに論争の種となっていたビニル陽イオンの構 造の問題に決定的な証拠を与えられたのです。その後もイオン反応の科学の進歩に貢献を続けておられます。現在イタリアを代表する質量分析研究者で,今年 10月15日オランダで行われるN. M. M. Nibbering教授(国際質量分析学会会長)の記念シンポジウムでは,F. McLafferty教授,M. L. Gross教授,K. Jennings教授らとともに招待講演されます。気相における(キラル)炭素陽イオンやそのミクロ溶媒和イオン,あるいは種々のクラスターイオンなどの 立体化学(キラル認識を含む)の研究で著名な方です。ごく最近は,FTICRによるオゾンイオンの化学(環境化学)でも成果を上げておられます。2年毎に 開催される物理有機化学九州国際シンポジウム(KISPOC) に参加のため,何度も来日経験がおありです。教授の講演はその内容とともに presentationの美しさでもよく知られています。

絹見朋也先生は1991年に電気通信大学を卒業され,1996年に電気通信大学博士後期課程修了後,博士(理学)の学位を授与さ れました。その間,2年間オクラホマ大学 Health Sciences Centerに留学されていました。その後,日本パーセプティブ,電気通信大学助手,国立感染症研究所細胞化学部を経て,現在,産業技術総合研究所ヒュー マンストレスシグナル研究センター研究員としてご活躍されています。 質量分析の生化学への応用として,特にタンパク,ペプチドの構造解析とプロテオーム解析が主なテーマです.今回のセミナーでは,視細胞内のリン酸化タンパ クであるフォスレスチンの構造解析例を中心に,LC-ESI/MS,MALDI-TOF/MSによるペプチド,タンパクの構造解析を紹介していただきま す。


プログラム:
13 時 開会
  世話人挨拶 澤田 正 實
  川畑 慎一郎(島津島津製作所 分析機器事業部 (ライフサイエンス部))
「MALDI-QIT-TOF による 2次元電気泳動で分離した蛋白質消化物の分析」
  絹見朋也(独立行政法 人 産業技術総合研究所ヒューマンストレスシグナル研究センター)
「MALDI-TOF/MSによるリン酸化タンパク,ペプチドの構造解析と定量」
  休憩
  Professor Dr. Maurizio Speranza(University of Rome "La Sapienza")
"Chiral Recognition in Gas-Phase Clusters"
  世話人挨拶 イオン反 応研究会幹事 山岡寛史
16 時過ぎ 閉会

参加費: 研究講演会:参加無料。
世話人・連絡先: 澤田正實(大阪大学産業科学研究所・第38回イオン反応研究会幹事)
Phone:(06)6879-8525 Fax:(06)6879-8519

山岡寛史(大阪女子大学・イオン反応研究部会 部会幹事)
Phone:(072)222-4811 ext 4338 Fax:(072)238-5539

荒川隆一(関西子大学・イオン反応研究部会 部会幹事)
Phone:(06)6368-0781 Fax:(06)6339-4026

竹内孝江(奈良女子大学・イオン反応研究部会 部会長)
[イオン反応研究部会ホームページ  http: //www.mssj.jp/Japanese/Branch/Ion/]
[第38回イオン反応研究会ご案内のホームページ]