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全体講演
『近接場光学からナノ質量分析を考える』
堀 裕和(山梨大学大学院医学工学総合研究部)
 ナノサイズの物質系の,光周波数領域の電磁相互作用を使いこなす近接場光学が,バイオ分子の操作や脱離イオン化を通じて,新しいナノ質量分析に貢献できそうです.光の波長よりはるかに狭い空間での電磁相互作用は,空中を伝わる通常の光とまったく異なる,局所的で強く,しかも近傍の物質構造で自由に変えられる制御性,選択性を持ちます.質量分析の第一歩である,物質表面からの分子の脱離イオン化を,表面形状と光物性を最適化した状況での光近接場相互作用によって,効率よく,ソフトに,クリーンに起こす事ができると考えられます.これを,可視光のエネルギーでX線領域の分解能が得られる,走査型近接場光学顕微鏡と組み合わせれば,ナノ分解能の局所質量分析も可能になるかもしれないという,少し大きめの目標を立てて,近接場光でどんな事ができるかを考察し,その実現を目指した実験研究の現状を報告します.











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