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第57回質量分析総合討論会趣意書
温故知新、時空を超えて
~19th IMSC (京都, 2012)へのアプローチ~

ON-KO-CHI-SHIN, Beyond the Time and Space
---An Approach toward 19th IMSC (Kyoto, 2012)---


質量分析法の先達は、20世紀初頭から現在に至るまで一貫して、前処理・イオン化―質量分離―検出・記録、のそれぞれのプロセスにおける「時間」と「空間」が本来もっている「他の分析法にはない特徴」を最大限に活かせるよう、緻密な設計と匠のあわせ技で、絶え間なく装置を開発・改良してこられました。装置の活用法のお話としては、ASMS(2008年5月デンバー)冒頭に拝聴した本学会名誉会員Cooks教授による”Metastable Ion: Past and Future in Mass Spectrometry”と題するtutorial lectureが秀逸です。matastable ionは、半世紀前に単収束磁場型質量分析計で観測され、特定反応場(空間)のイオン反応を(メタステーブル)時間軸で観測・記録することによりイオン種の構造解析ができる分光法であり、衝突活性化の手法ともあいまって、さまざまなタンデム質量分析法へと発展してきた古くて新しいもので、最近の生命科学の構造解析の研究にもmetastable ionを活用した成果がみられるとのストーリーで、文字どおり時空を超えた話題の扱われ方が印象的でした。質量分析学100年の歴史を背景に、このたび第57回を迎える世界最古の質量分析学会の1つである本学会主催の総合討論会の場では、「温故知新」をキーワードに、物理学・化学・薬学・医学・生命科学・法化学・データベース・材料科学・食品科学等々の広範な分野を包括しながら、「装置」を大きなキーワードに、1分子からマクロまで、基礎から応用まで、最先端から基礎講座まで、2012年9月開催予定の質量分析国際会議[19th IMSC, (Kyoto, 2012)]を視野に入れながら開催いたします。
平素から質量分析に直接関わっておられる皆様方のみならず、関連分野の皆様も、ふるってご発表・参加いただきますよう、お待ち申上げております。
第57回質量分析総合討論会
実行委員長 山岡寛史


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