プログラム(予定)

第1日目 5月26日(木)
9:45~ ●受付開始
10:00~ ●開講にあたって(事務連絡ほか)
10:10~10:55 ●MSって何? まず知っておきたいこと
 高橋 利枝(東京大学)
【概要】 講習全体のイントロダクションとして,質量分析装置はどんなものか?分子の質量をはかるとはどういうことか?などについて概略をお話しします.実際の測定(定性,定量分析)の流れについてもお話しします.
11:00~12:40 ●装置(よく用いられる質量分析部を中心に)
 田村 淳(日本電子株式会社)
【概要】 現在の質量分析装置には多種多様な質量分析部が採用されています.種々の質量分析部が必要な理由から説き起こし,特にLC-MSの分析部として広く使われている飛行時間型と四重極質量分析計を中心に,各種質量分析部の原理と特徴を解説します.
12:40~13:20 お昼休み
13:20~14:50 ●イオン化法
 絹見 朋也(産業技術総合研究所)
【概要】 測定試料は化合物毎に異なった物理的,化学的性質を持ち,それぞれの性質に適したイオン化法が開発されています.よく用いられるイオン化法の各論について紹介し,各イオン化法の原理と特色を解説します.
15:00~16:30 ●スペクトルの見方
 窪田 雅之(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)
【概要】 マススペクトルから読み取れる情報を質量分析の正しい用語の使い方も含めて解説します.精密質量や同位体分布の解釈,窒素ルールなどを紹介するほか,分解能の定義や高分子における同位体分布の影響などについても解説します.
16:50~17:50 ●スペクトルの読み方(フラグメンテーションの基礎)
 絹見 朋也(産業技術総合研究所)
【概要】 MS/MSを含むフラグメンテーションを理解するための基礎知識として,有機化学の視点からフラグメンテーションの理論とスペクトルの解釈について解説します.
17:50~18:50 ●情報交換会(自由討論・個別質疑応答時間)
第2日目 5月27日(金)
9:30~11:00

●MSの応用(目的に応じた手法の選択)
 本山 晃(株式会社資生堂)
【概要】 目的に合った適切な手法を選択するための知識を確実に習得していただ くことを目的とし,1) 初日の講義内容の整理・復習・演習,2) 質量分析法の応 用例の紹介,の2パート構成で解説します.

11:10~12:40 ●LC/MSの基礎
 中村 健道(理化学研究所)
【概要】 創薬研究における活用事例を示しながらLC/MSの基礎について解説します.分離法とカラムの選択,高感度化に有効な移動相,構造解析に有用な誘導体化法,H-D交換法,構造解析ツールに関しても解説します.
12:40~13:20 お昼休み
13:20~15:00

●LC/MSの応用-1(低分子化合物の定量:薬物動態研究等を例に)
 丹羽 誠(日本化薬株式会社)
【概要】 血漿中薬物濃度測定を例とし,LC/MSによる低分子化合物の定量法の設定方法を解説します.イオンサプレッション/エンハンスメントなどのマトリックス効果を回避して正しい定量値を得るための前処理法と分離法についても解説します.

15:20~17:00

●LC/MSの応用-2(nanoLC/MS を用いた微量タンパク質解析)
 川村 猛(東京大学)
【概要】 nanoLC/MSを使用するにあたり,その特徴,タンパク質・ペプチド試料を測定する際の基本的な注意点,高感度化や安定した測定のためのノウハウを紹介します.また質量分析装置を用いた実際のタンパク質の同定・定量法などについて概説します.

17:00~17:30 ●まとめ