今回は2019年以来久しぶりのつくばでの現地開催となりましたが、2022年福岡、2023年大阪と、コロナ禍が明けてから総合討論会における出展企業様の数が増えてきたことに鑑み、展示・ポスター会場の広さを従来の2倍ほどに拡大し、さらに会期もアメリカ質量分析学会(American Society for Mass Spectrometry: ASMS)による72nd ASMS Conferenceの翌週に設定することで、出展企業様にはそこで発表された最新の技術・知見を国内でいち早く発信していただけるよう配慮しました。また韓国・台湾の質量分析学会との学会間MoUの締結と、来年のアジア-オセアニア質量分析会議(Asia-Oceania Mass Spectrometry Conference: AOMSC)の日本開催を受けて、国際シンポジウムセッションを2枠に増やしたほか、英語による若手研究者セッションも新たに2枠開催し、学会企画としてMoU締結記念セレモニーを行うなど、今までにない国際色の強い総合討論会となりました。また日本環境化学会に共催いただき、環境科学に関する両学会の最新の知見を交換するセッションを開催したほか、米国立海洋大気庁のCarsten Warneke博士と、東京大学大気海洋研究所の横山祐典教授に、質量分析による地球環境の理解への貢献について特別講演をしていただくなど、近年ますます人類社会の喫緊の課題となってきている、地球環境問題に関するトピックスが目を引く会でもありました。
討論会の参加登録者総数は571名(事前参加:404名、当日参加:167名)、総演題数253題(特別講演2題、受賞講演2題、シンポジウムセッション41題、基盤セッション33題、若手研究者セッション12題、若手研究者セッション(国際)12題、ポスターセッション136題、イブニングワークショップ1題、ランチョンセミナー14題)の発表および討論が行われました。若手研究者の奨励を目的に、最優秀賞4題、優秀賞4題にベストプレゼンテーション賞を授与しました。また、企業展示、ランチョンセミナー、要旨集への広告ならびに賛助等により、計46社からご支援いただきました。懇親会にも233名のご参加をいただき、有志による楽団も復活いたしました。実行委員会を代表して、ご参加ならびにご協力いただいた皆様に御礼申し上げます。
次回の第73回質量分析総合討論会は、AOMSC2025との合同開催として、2025年6月22日(日)~25(水)の日程で、沖縄県石垣島のANAインターコンチネンタル石垣リゾートにて開催されます。また皆様にお目にかかれますことを、心より楽しみにしております。
第72回質量分析総合討論会
実行委員長 角野 浩史