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第160回 関東談話会講演会＆MS-Café (Kanto)

開催概要

「エレクトロスプレーイオン化の源流と新潮流」と交流会MS-Café (Kanto)

主催：
一般社団法人 日本質量分析学会　関東談話会
日時：
2023年7月12日（水）14:00-17:00（13:45より接続可）
開催様式：
Zoom Meeting
定員：
80名（先着順）
主題：
　エレクトロスプレーイオン化（ESI）では、溶液として測定試料がイオン源に導入され、帯電液滴の形成、液滴サイズの分裂・サイズ減少を経て気相イオンが生成されます。現在、ESIはマトリックス支援レーザー脱離イオン化とともに最も一般的なイオン化法として認識されており、液体クロマトグラフィ質量分析法のインターフェイスの卓抜した技術として近年の生物学、環境学、医薬学分野の発展に大きく貢献しています。本講演会では、ESIを中心に原理および応用研究の話題を提供いただきます。資生堂GICの本山先生にはESIの歴史や原理を中心にご講演、山梨大学のチェン先生にはESIを活用した新規イオン源の開発についてお話いただく予定です。
　講演会の後にMS-Café(Kanto)と題したオンライン・フリートークの場を設けます。講師の先生方とディスカッション、質量分析に関わる疑問やキャリア相談、参加者同士の交流などにお役立ていただければと思います。ブレークアウトルームを利用した個別会合も可能です。アットホームな雰囲気でお待ちしていますので，初学者・ベテラン問わずお気軽にお立ち寄りください。
プログラム：
13:45-
入室開始
14:00-14:05
開会のご挨拶・趣旨説明（世話人代表）
14:05-15:00
講演①（講演40分・討論15分）
本山 晃先⽣（株式会社資生堂グローバルイノベーションセンター）

エレクトロスプレーイオン化法（Electrospray ionization; ESI）を使いこなすための基礎を誕生の歴史と原理を踏まえて概説する。ESIは質量分析に不可欠なイオン化法として広く使われている。移動相・イオン化助剤の選択やマトリックス効果対策などの測定ノウハウの情報は多いためデータの取得自体は簡単である。一方、基礎知識がないと宝の持ち腐れになりかねない。なぜその条件なのか？―原理や限界（！）を知ることで、より良いデータを取るだけでなく革新的な何かを生み出す一助になれば幸いである。

15:00-15:10
休憩
15:10-16:05
講演②（講演40分・討論15分）
チェン リーチュイン先⽣（山梨大学）

エレクトロスプレーで生成した初期帯電液滴のサイズは液体流量に依存し、nL/minのナノ流速を実現するために、従来では内径約1μmの細いキャピラリーを用いなければならない。我々は高圧イオン源を用いて、内径0.4mmのマイクロピペットチップで高電気伝導率を持つ水溶液のナノエレクトロスプレーイオン化法を開発した。電気噴霧は３気圧以上の環境下で行われるので、放電がほとんど起きないため、Michael Karasらが名付けた「真のナノエレクトロスプレー」の特性を有した安定なテイラーコーンが得られる。送液ポンプを使わないが、スプレー電流から瞬時の流量を推定できるので、流量を手動で微調整する、またはパソコンで制御することが出来る。ESIのキャピラリーは汎用マイクロピペットチップなので、操作が簡単で、高塩濃度の緩衝液を扱っても目詰まりがなく、キャピラリー内面とサンプルの相互作用・吸着も少ない。高い電気伝導率（＞3.8 S/m）の水溶媒を極めて低い流量（~1 nL/min）付近まで噴霧したら、液面の強い電場による酸化現象も現れた。本講演では、その高圧ESI源の開発、原理、たんぱく質のオンデマンド酸化修飾などの応用例を紹介する。

16:05-16:10
休憩
16:10-16:55
MS-Café (Kanto)
フリートーク（講師との懇談，質量分析の基礎・活用事例紹介等）
16:55-17:00
閉会の辞
参加費：
無料（非会員・学生さん大歓迎）
参加登録：
ご好評につき定員に達しましたので、受付を締め切らせていただきました。
問い合わせ先：
日本質量分析学会 関東談話会
E-mail：kanto23＠mssj.jp（＠を半角に変更してください）